『シニカルな祭典―東京2020オリンピックが映す現代日本』(晃洋書房)

阿部 潔 著『シニカルな祭典―東京2020オリンピックが映す現代日本』(晃洋書房)

ISBN 9784771036994
2,200円 192ページ

原稿整理~三校までを担当いたしました。


はじめに

序 章 東京2020オリンピックと〈わたしたち〉
あれはなんだったのか
「どうかしている」ことの繰り返し
〈わたしたち〉の自画像
「ホラー」の顛末?

第1章 大会のゆくえ─ネット世論とメガイベント
惹きつけられる〈わたしたち〉
メガイベントとメディアの相性の良さ
約束された未来の誘惑
「参加している感」のリアル
幻滅のはじまり
イベント=出来事への感性

第2章 危機と祝祭の表象――開閉会式パフォーマンス
開会式――United by Emotion
「アスリート・センタード」の真意
閉会式――Worlds We Share
社会的意義と多様性
不可思議な式典の背景
可能性のありか

第3章 祭典のただ中で――不可思議なパラレルワールド
開催までの道のり
開幕後の情勢
閉幕後のメディア報道
「パラレルワールド」としてのオリンピック/コロナ禍

第4章 喧騒のあとで――落ちた「憑き物」
いつものオリンピック?
余韻のなさ
話題/ネタのゆくえ
主催者たちの言葉
「憑き物」としての東京大会
グローバルな「金持ち」

第5章 世論の背景――「もやもや感」の記号論
なにを見ていたのか――理想↔現実の軸
なにが問われていたのか――賛成↔反対の軸
なにを優先していたのか――祝祭↔危機の軸
どこで体験していたのか――リアル↔ヴァーチャルの軸
なにを評価していたのか――開催↔結果の軸
だれ/なにが主人だったのか――憑かれる↔つかむの軸
潜在的対抗の失効――「反対」はなぜ力を持ち得ないのか

第6章 シニカルな大会――浮かび上がる〈なにか〉
複合項が映し出すもの
中立項が映し出すもの
「シニカルさ」という共通性
シニカルなイベントのゆくえ

第7章 オリンピックはユートピアなのか?
〈なにか〉から浮かび上がるもの
ユートピアの条件

終 章 シニシズムから脱するために
希望のありか
もとに戻せないことの価値

あとがき
文献一覧
索  引