『「事実性」の哲学―フッサール、メルロ=ポンティ、ウィトゲンシュタイン、ハーバーマス等の現代哲学を見る視点』(晃洋書房)

宮坂 和男 著『「事実性」の哲学―フッサール、メルロ=ポンティ、ウィトゲンシュタイン、ハーバーマス等の現代哲学を見る視点』(晃洋書房)

2023年2月10日刊行
ISBN 978-4-7710-3696-3
2640円 216ページ

原稿整理~再校までを担当いたしました。


 

ソクラテス、デカルト対現代哲学

ヨーロッパの伝統的哲学を代表しうる哲学者の考えを検討した後に、それを批判し、それと対比させる仕方で、20世紀の現代哲学が<事実性>に依拠しようとした次第を見る。

根本から知ることを目指す哲学は、本来は日常の現実から離れようとする営みであった。本書は、20世紀の哲学がそれと違って、知覚、言語等に関する「事実」を受け容れ、それに向き合おうとした<事実性>に着目する。